皇居東御苑に大手門から入園して、発券所を過ぎると、正面に下乗門跡が見えてきます。とは言っても、石垣しか残っていないのでわかりにくいと思います。古い写真を見ると、向かって右手には番所があって、門の前には濠があるので木橋がかかっています。高麗門を通って枡形内に入り、左に曲がると渡櫓門があります。また、背面の石垣の上には多門(たもん)（城壁の上に長く続く櫓）があったこともわかります。この多門が乗っている石垣の部分は銅門と共用になっていたようです。
 門前の濠は1918（大正7年）から1919（大正8年）にかけて埋め立てられたようです。濠に接していた石垣は、現在は上から３段程度しか見えませんが、埋め立てる前はもっと下まで見えていました。

 高麗門跡をとおって中に入ると、すぐ右手に番所があります。これは３つ現存している番所のうちのひとつです。屋根瓦をよく見ると、徳川家の家紋があることがわかります。